今日は2月最後の日。先日春一番が吹いた東京は、このところ暖かい日が多く過ごしやすかったのですが、まだまだ油断大敵!と思っていたら、今日は最高気温が5°C。寒い一日で、午後からは冷たい雨に雪が交じりみぞれになりました。まだ石油ファンヒーターはしまえない。
もっともっと寒いであろうA森から、手作りの「鰰の漬け物」が届きました。寒い冬の味覚です。
これがまた美味い旨い。魚の漬け物(米麹)の本来の姿で、関西など暖かい地方では、保存がまず無理なため私の食の文化圏に無く、大人になって初めて知った味です。日本酒にぴったり。色々な魚で作るようで、これまでも数種類ご馳走になりましたが、子持ちの鰰は格別です。この魚も寒い日本海の冬の味覚ですね。
寒い地方では保存食なのでしょうが、乳酸発酵の酸味と魚の旨味が素晴らしい。関西の鮒寿司(これはこれで旨いのですが、好き嫌いがはっきり出ます)に近いかな?
鮒寿司はドイツ人の 指揮者HルストSタイン氏がこれを旨いと言った話がスゴい!
「今日はものすごく旨い魚を食べた」と話しはじめたSタインさんに、よくよく話を聞いたら、京都の料亭で接待を受けたら「どう見ても腐っている魚が出てきた」らしい。しかしそこで、ものすごく頭の良い彼の考え方は常人とは違っていた。「こんなに誰が見ても匂いを嗅いでも腐っているとしか思えない物を、このような場所(接待の料亭)に出してくる訳がない。・・・という事はこれは食べられるものであり、何か特別な素晴らしい料理である筈だ」←これってなかなか考えられませんよ。腐ってるので取り替えて!までは言わなくても、そうっと残してしまう事だって出来るのですから。そう考えて、匂いを我慢して食べてみたら、自分の一番好きなブルーチーズと同じ系統の味がした。これで味が好きになったら、香りも気にならない・・どころかとても旨い物に感じ、好きになった。
なんだかすごいでしょ!鮒寿司は日本人でも食べられない人が多いと思う。関西人の私は大丈夫。でも、地元の人が食べる「◎十年もの」とかいう、漬け樽の底に溜った水みたいに溶けた物を飲む気にはならない。そういえば鮒寿司も子持ちの魚でないと旨くないなあ。もちろん鰰漬けはそんなに個性が強くはありません。でも、スシの原点である魚の漬け物なので、お魚嫌いの人にはきついかも。
今晩は暖房の効いた部屋で、一杯やりながら鰰の漬け物を楽しもうと思います。モチロンお酒は日本酒。昨日Sいとうシェフにもお裾分けしたので、定休日の今日あたりはSいとう家でも同じかも。
季節はまだ冬だなあ。とか言ってたら明日は暖かくなったりするので、皆様ご用心!