ここ数日、少し時間が出来ると(この災害で我々の業界はキャンセルだらけ。だから時間はある!←これもどうなんだか・・)頭の中で色々な考えが巡りはじめまとまりがつかない。
この地震で改めてわかった事。色々な「あたりまえ」が、実は全くそうではなかったこと。これはまあ、前々から判っていたからこその私の「独立国宣言(笑)」だったのですが。プロ=と呼ばれている人達=は全くプロフェッショナルではない。
◎東京電力
原発の事故を制御(←そもそも最悪の場合は人間が制御出来ないとわかっていた筈で、だからこそ最悪にならないために様々な事態を想定し準備していた。原子力を実用化している以上、想定外の事は起こってはならない。なのに今回は全て想定外!)できないどころか、きちんと必要な事、今起こっている事を発表(広報)することすら出来ない。政府のコントロールもあるのだろうけど、これだけは正しく国民に伝えなければならないという良心や、社としての使命感や意思はないのか?
あまり、問題にされていないけど、事故の初期に、福島原発に勤める東電の社員と政府関係者が避難したのは(現場に必要のない人は避難するのは仕方が無いとして)住民に避難(屋内も含め様々な意味で)指示を出しているよりもずっと遠い、約50km離れた郡山だった。なにこれ?自社の仕事に誇りを持っているなら、安全を信じて(極論すれば、例え営業職であっても)全社一丸となって、この事故と事態の収拾に務めてくれよ。安全神話だけを聞かされ、逃げようも無くただ巻き込まれてしまった住民より遠くに避難するなよ。ついでに(安全だと口を揃えていた)原発推進派の議員や人達も、皆で水を入れにいけば?
さらに、信号(これが原因の死亡事故もあった)や鉄道も止めてしまう計画停電。料金未納で1軒だけ電気を止める事が出来るのに、交通信号まで一緒にしないと停電は実施出来ないんだろうか??ものすごく不思議。
そして東電はテレビでお詫びのCM。無駄遣いも大概にしろ!と怒りすら感じる。今本当に必要な事がまるで見えていない。これに乗っかって、こんな事すら金儲けにする「広告代理店」にも怒!
◎原子力(放射線被曝関連の医者、政府の公報全て含め)の専門家と言われる人々
原発の状況と今後の対策について推論しか言わない。具体的にワカラナイのなら発言するなよ!「チェルノブイリの事故とは全く違う」とか、日本の原子力界の「面子」だけを気にしているかのような発言のみで、まったく必要な事は言わない。学者の机上の空論を聞いても仕方が無い。これを垂れ流すテレビにも怒。いや、もう「諦め」か。
関連して「現在の放射線の放出量・被曝量は、全く健康被害には至らない」・・云々の発言。誰もそんな事訊いてない。確かに騒ぎ立てる程の量ではないのかもしれない(←これも素人には判らない)。しかし、元々無かった物を数倍〜数十倍の数値で「受け入れざるを得ない」状態にされている我々(東京だって、もっと言えば地球規模で、それは同じことになる)にとって、今起こっているのは量の問題ではなく「本来はそんな被曝は無かった」からこそ、被害なのである。放射性物質が確認された農作物や牛乳もそう。「健康に影響はない」と言って良いのは、風評被害に備えなければならない生産者側だけであると思う。
☆そもそも、アインシュタインをはじめとした「天才」が発見した「画期的なエネルギー源」を、商売や兵器として使おうとした凡人の手に委ねたのが間違いのもとである。これもプロだけに任せておけば良かった話。
☆反面、今後ムード的に原発反対派の人が増えそうな気がするので、これにも警鐘を鳴らしておきたい。私は元々筋金入りの反対論者ではあるが、来るべき「化石燃料の枯渇」に備え、次世代を担うエネルギー源を考えなければならない必要性は充分に理解しているつもりである。だからこそ、次世代のエネルギーだけでなく「現在の使い方を見直さなければ」と考える。今の計画停電や節電の内容も(直すべきところは直して)これが維持出来るものなら、このまま続けても良いとさえも思う。前に書いた「東京ー大阪が5時間」や「自粛しているネオンと建物のライトアップ」や「商業施設の営業時間」など、全てが使い方を考える事になる。現在(といったって、たかだかここ2〜30年くらい)あたりまえに享受されている文明=便利についてきちんと見直そうよ!「あれば便利」と「無くてはならない」は、全く別ものである。これって以前書いた「医学の進歩」にも通じるかも。テレビの放送時間枠も見直そう。オイルショックの際に実際に深夜の放送を自粛をした前例があるのに、そのことには微塵も触れないのはどういう事?テレビ局の保身でしょうけどね。これまでにも書いてきているように、現在のテレビ報道なら本当に要らない。
今の日本で、無駄を省いて「昭和3〜40年代」の生活水準に戻そう!は多分無理がある。でもその水準でも人は生きていける事(当時は逆に「便利になった!」と喜んでいた筈)は、忘れてはいけない。少なくとも私はそう考えて、不要な物は「要らない」と発言していこうと思う。
◎報道関係
何も考えずに取材に行き、これまで通りの報道に終始するマスコミ関係者。ビデオレターで数組の家族の情報だけを流す(そこに取捨選択がある)なら、ここの避難所にはこれだけの家族がいて、誰からの連絡を待っている・・という情報を全てきちんと取材して流してあげた方が、行方不明の家族を歩いて探し回っている人に、少しでも有効な情報となるのではないのか?
前回書いたヘリコプターの件だって、法律で「ヘリからの物品投下が出来ない」という言い訳をしている局があったけど、その時に本当に必要な事は何かを考えれば、法律の遵守が必ずしも正しい事にならないくらいの事は解る筈。もし違反して「生活必需品を物品投下」して、非難なんか受ける訳がない。それより、報道のヘリを見て手を振って「助かった」と思い、一転して「助けて貰えない」絶望に打ちひしがれた人が何人いるかを考えた方が良い。
我々には「阪神淡路」というお手本にすべき前例があったのに。
◎その他
前記の「信号さえも消灯させる停電のシステム」にも通じるが、義援金の送金に手数料を取るのもどうしたもんだか。金を取るシステム構築だけは上手なエンジニアは、同じ能力を使って手数料を不要にする事くらい簡単でしょ?
なんだか、この国は無駄遣いばかりしている。国家予算もおなじ。無駄を見直す・・・って言いながら、ちっとも見直してない。あんな政治家どもにかかるお金が一番無駄。この一大事に政治は何もしていない。企業はいち早く寄付を決めているのに議員は何かしているのだろうか。歳費を返上して被災地に寄付するという人が一人でもいるのか?
読売ジャイアンツのNべTねの発言もすごかったなあ。東京ドームはデイゲームもナイトゲームも照明とエアコンが必要で使う電力は同じだから、開幕を延期したってしょうがない・・的な内容だった。正に「老害」としか言いようが無い。Y売グループは、この人にいつまで実権を握られているのだろう。このままだとファンは確実に引く。きちんと判断している選手会の決定の方がよほどまとも。選手がかわいそうとも思える。地震直後に都内のホテルで「巨人軍の激励会」もやったらしい。出席させられた選手は恥ずかしかっただろうなあ。しかしこの人は常にゴリ押しで要求を通すタイプの人だったからなあ。
☆文句ばかり書いてきたこのひどい状況のなか、福島原発の現場で給水作業にあたっている自衛隊と警察と消防庁の隊員の皆さんには本当に頭が下がる思いである。東電が誰も責任を取らない=とれないのに、本来の職務とは違うにもかかわらず、自身の危険を顧みず、国民(世界・地球と言って良い)のために献身的に作業をする方々にはただただ尊敬と感謝の念で一杯になる。福島原発だけでなく、災害時に自身の危険や困難を投げ打って仕事をしている、医療関係者や警察・消防、公務員の方々にも同じ気持ちです。その方々のご家族にも。原発にご主人を送り出すご家族の気持ちはいかばかりか。こういう時に何も出来ない自分の職業が恥ずかしくなる。
大きな困難に向きあった時に色々考えるのは悪い事ではない。しかし文句ばかりを言っても始まらない。問題点を挙げつらっても何の解決にもならないので、むなしくなるばかり。本気で国を思うのなら、政治家になるべきだろう。だから、批判的な事を書くのはこれでおしまい・・のつもり。
最低限、今回の事を確実に後世に伝えるという役割だけは果たそうと思い、自分自身の頭の中の記録としてこの文章を残しておこうと考えている。
友人であるSいとうシェフは、福島から避難してきた親族を受け入れ、具体的に活動しているのに、私は何もしていない。私に何が出来るだろうか。
私の仕事関連では、各地で様々なイベントが中止になっている。先の野球の話も例外ではないが、実際にその場その場で様々な役割分担があると思う。例えば西日本で、電力の供給に影響しないところなら、イベントで人を集めて募金活動をするなり、収益の一部を被災地に寄付する・・でも、充分役に立つとは思う。何でもかんでも「中止」「自粛」という方向に持っていくのも考えが浅い気がしている。
う〜ん。文章が長いだけで、何の結論も無ければまとまりも無い。今日はこんな頭の中でした、という事にしよう。