つくづく痛感させられている。せっかく買ってくださるお客様には、少しでも良いものを提供したい。少しでも満足してもらいたい。ずっとこう思って仕事をしてきたつもりだったんだけどね…私の売り物は、一般的な商品とは少々趣が異なるし。自分が演奏して音を出しているだけの時は、まだ簡単だったかも。良い音か、正しい音か、周りと合っているか、文字にするとミモフタモナイことになっちゃうけど…要するに 、自分の音を聞いてお客様が満足・感動するか、自分の属する団体の出す音に同じように感じてもらえるか、自分と一緒に音を出している仲間が、私の音に満足して仲間として認めてくれるか、そういったことが自分への評価の対象だった。
他人に教える、という仕事を初めて、相手の能力が上がるかどうか、という一見わかりやすい評価基準ができたのだが、それがそう単純でもなかった。音大受験生も含め、我々の仲間を目指す相手なら、私の一方的な基準を押しつけることもOKだろう。しかし、このジャンルの仕事の相手は、殆どがアマチュアの音楽家達。彼らがどうなりたいのか、求めていることは千差万別…教えるだけでなく、指揮者として一緒に音楽を創り音を出してお客様に提供するとなると、さらに複雑…
もう10年になろうかという団体の求めていることを、私はまったく理解していなかった。どころか、私の基準を押しつけていた…がっかり。これがわかっていなかったから、こんな感想を抱いたんだ。
教えるだけでなくアマチュアの音楽家達を指揮して本番にかけるときは、その向こうに聴衆というわかりやすいお客様がいる。でもその前に目の前にいる一緒に演奏している彼らもがお客様である。いや、私を雇ってくれている彼らこそが、本当の意味でのお客様か。
ちょうど4年前のコンサートで、クオリティの高い演奏ができた!って、喜んでいたのは私だけで、追い込まれてシブシブつきあってくれてた彼女たちには、多分オレは迷惑なおっさん。来年また大きな本番、そして、これからその準備が本格化する…あ〜あ