震災被災地のがれきがいつまでたっても片付かない。復興の第一歩…どころか、人間が生活をする・元の生活に戻る第一歩がままならない。
まず、がれき処分の受け入れ先での住民の理解が得られない。ただ単純にがれきを処理するための受け入れを拒絶しているのではなく、東北の放射線量の高い地域のがれきを受け入れる事への拒絶反応。「同朋の受けた災いを、国民が平等に少しずつ受け入れ負担を分担しよう」という大義名分で、拒絶している地域の住民を非難する声もあるがこれは筋違いである。根拠もなく東北=被曝=拒絶という構図はもちろん言語道断で、当然ながらきちんと放射線量を測定して、問題ないものは余裕のある地域で受け入れ負担を分担するべきではある。
しかし、がれきの放射線量が高いのは東電の責任でしょ。原発の事故を起こしたのは東電で、地震の後状況を悪化させた人災の責任は当然ここにある。もう一つ、原子力発電を推し進めたのは国。(まあ、その政治家に投票したという意味では国民にも責任があるけどね)
さて、こういう場合にどう対処するべきか例をあげてみれば簡単に判る。
◎何か問題が起こってしまい、誰かに負担を強いる状況になった。その問題に対処する際の原理原則。
1) 起こってしまった事に対してきちんと包み隠さず説明する。
2) 原因を究明して取り除く。
3) 責任の所在を明らかにする。
4) 非に対して謝罪をする。
5) その上で、起こってしまった事をあれこれ言っても始まらないので(時間は戻せないので)、これからの計画を立てて、説明し理解を求める。理解が得られたら、それを実行して補償や賠償の交渉をし、非負担者側の理解を得て解決する。
簡単な例なら、交通事故を起こした場合。自分が100%悪いかどうかまだ不明な段階でも、まず事故を起こしたら、1) 警察に連絡して状況を説明し、2) 人命を救助または救護し必要な措置をして、3) 自分の責任の所在を明らかにして、4) 被害者に謝り、5) 壊したものを弁償する、または、怪我などに対する入院費などの補償や賠償の交渉をして、相手側の理解が得られたら、それを実行する。この全てにおいて、一刻も早く解決に向かい、双方がなるだけ早く元通りの状況に戻る事が出来る(またはそれに少しでも近づけ)るように努力する。
こんな事は小学生でも簡単にわかること。
なのに、それをやっていないのは明らかで、1) 〜 5) まで何一つ進んでいない。だからこそ、皆が進んで協力する気になれないのではないか。どこかで誰かが我慢しなければならないのは解っているだけれど、大元が全く責任を取っていないので、私がやる事はない…と思ってしまう。これをきちんとやっていたら、国民はもっと納得して(なにしろ日本民族の博愛意識は素晴らしく、世界の賞讃の的なのだから)負担分担をするだろう。その上で、補償をきちんとする=双方納得出来る額のお金で解決する=起こってしまった事は元に戻せないのだから、現実的にはこれしか解決法はないだろう。故郷を殺されてしまったのだから、かなりの事をしなければ納得出来ないだろうけど。
原発の事故も交通事故も、責任の取り方は同じ事なのに、政治家も官僚も東電も先述の原理原則に則った行動をしない。まず責任の所在を曖昧にし、謝罪しない。←なんだろーねー…プライドが邪魔するの?もしかしたら、彼らは子供の頃から一度も謝った事ないんじゃない?? その上、天災なのだから、国民の負担の分担は当然!とか言って問題をすり替えてしまう。まったく厚顔無恥な大人ばかり。これを見て子供は育つんだぜ。あれが我が国のエリートだって教えられて…この国将来は暗いな。
年金も消費税増税も皆同じ構図。問題の大元について誰も言及せず、根本原因を取り除かないから国民はついていかない。お金がなかったら、普通は支出について検討して節約するでしょ。おまけに大元で大変な無駄遣いをしたヤツが謝罪もしなければ責任も取ってない。もしかしたらNHKの受信料にも同じ匂いを敏感に嗅ぎ取っているのかも…
沖縄の基地も構造は似ている。皆、誰も自分のところに来て欲しくない。でも… この問題についての解決法を同じ(金の使い道の問題と)土俵では語れないとは思うけど。
原発再開について、発電費用の観点から、原発が現在最も安価に発電出来るのだから(この数字も向こう側の発表だから鵜呑みには出来ないけど)費用効率の悪い太陽光発電はリスキーであるという意見もあるし、政府・行政の原発運転再開に向けたい一部の人達は、この数字を盾に取って再開を強行しようともしている。しかし、まずは事故が起こった際「2) 原因を取り除く」事が人間の手では出来ない現状で、どうしてこれが安全に運転出来るというのだろうか。人間がコントロール出来るようになって、初めて実用に耐えられる発電法と言えるのでは?原発は実用化には時期尚早だっただけ。それなら、これだって支出を考えるしかない。電気の使い道を考えて、安全に出来る発電量内で賄えるように節電する。新幹線のスピードを遅くしたって、電車の本数を減らしたって、電気の使用制限をしたって、きちんと筋が通っていさえすれば、国民は納得して協力する。ところが東電は「料金値上げ」って… もう呆れるしかない。
もう一つ「再生エネルギー法」にも呆れてる。こういう事をなんとなく今のムード的に法律化するなよ。原発はアブナイ=太陽光発電はクリーンだから、民間で作った電力を買い入れて…この構図に金儲けの匂いがぷんぷん!これで「儲かるかも」とほくそ笑んでる人の影もチラホラ。これを良く調べたら、ちっとも我々国民のためになるような法案ではない事が解る。こんな事を決めていないで、少々お金がかかっても、少々不便な暮らしになっても、どうやったら安全に暮らせるのか国民の気持ちはどっちに向いているのかを理解して、そのために政治家は働いてくれよ。それが出来ないのなら我々に選択させて欲しい。