文化の価値

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たったいまF島市長K林氏から電話…同い年の友人でもある彼は元財務省・環境省官僚を経て一昨年秋よりF島市長となった。

彼の良く知る人で、私の先輩でもあるDイツN市の歌劇場オーケストラ元奏者であったI氏の事で、今年夏のF島市でのコンサートとクリニックの企画の相談。

これがまったく要領を得ない…この企画の責任者(F島市音楽堂の監督…とやら)の意向が見えないばかりか、私がこれにどう噛む事になるのかが見えない。

彼が市長選に出馬を決めた夏に、そのI氏率いるグループのF島でのコンサート開催の手伝いをした。結果的にまったくの無報酬のボランティアになってしまった←ボランティアという言葉の使い方も間違っているのだが、日本ではこんなものでしょう…それはそれで、友人としてまあ許せるとしても、終了後、このコンサートに関して結果の報告もなければ、礼の言葉もない。私の報酬に関してなんて、気にかける風情すらみえない。それでも、選挙の前で忙しいのだろうとか、将来的にお隣Y形のオーケストラに所属する阿久悠S藤の役に立つ可能性もあるだろうからと黙っていた。これはこれで、まあ良い事。

ただ、今回の話はF島市が企画した市営のホール主催のコンサートとクリニック。私が動くのであれば、当然これは仕事。私には報酬が発生しなければならない。市長とこの企画との関連(主催の責任者)の関係が見えないばかりか、私に何をして欲しいのかの関連も曖昧。自分が忙しくてI氏との間に立てないのでその代わりをして欲しいのなら、当然これは仕事である。

でも…

私のことを、市長ともI氏とも仲が良い便利な人間として使うだけ使って、この曖昧な立場に対して報酬が必要とは考えていない。少なくとも、今の時点で、私の立場をどうするかなどという配慮のかけらもない。

要するに…

市として「文化事業」なんて仕事じゃないんだよ。だから、監督とやらの名前がついてる責任者も、市長の知り合い(または市長のお気に入り)に、彼が何かやらせたそうだから、言う通りにしておいた方が自分の保身にもなる…って感じだろうなあ。

昨年夏のT京H尾でのI氏の演奏(と一連のコンサート)を聴いて「なかなか良かった」と監督が評してくれていた、と市長が言っていたんだから、まあ間違いない。普通の感覚で聴いていれば、そんな評価にはならないだろう…(もちろん、世話になった先輩に失礼な事を言うつもりはない。しかし、ビジネスとしての評価に嘘はつけない。定年までオーケストラでの仕事を満了し、年齢からくる技術や体力の劣化などは、良く理解出来る事でもあるが、初めて聴いて仕事を依頼する側の人間がこんな評価をするなら信用ならない。要するにそんな内容だったって事)

文化(音楽だけじゃなくってね!)は、観光やグルメ(これも文化か…)などと並んで、きちんと企画すれば仕事になる=お金に繋がる筈なんだけど。日本では誰もそんな風には考えていない。だからこそ、市長もその周囲も、余った税金でちょこちょこ「市民サービス」とやらに繋がりそうに見える(もっと言えば、誰にも文句つけられなさそうなクラシックなどの文化的!企画)ことをしていれば喜ばれる(または、自分の評価があがる)としか見てくれていない。だから各地のオーケストラ(美術館等でも同じか…)に対する補助金運動には「超党派」議院連合が動いて名を連ねる。

あ〜あ〜

友人S藤もY響との関係がおかしくなっているし、F島市長になった彼に「もしかしたら、彼を通して地方自治体のオーケストラ(文化)活動の方向性を示せるかも」なんて期待したオレがアホやっただけと、関係を切り捨てても良いのかも。

文化なんて所詮その程度にしか見られていないのが我が国の現状で、だからこそ、彼が当選するんだもんねえ…

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