どうにも納得のいかない話。
某所から仕事のオファーがあった。主催者は仮にYGKとしておく。
最初の依頼では6/5一日で、いわゆるGP・本番のみの出演。曲も全コンサート中1曲のみ。(←以前書いた「降り番」の曲が多く、乗り番は1曲だけ)Tubaにはよくある話。当日は別件で仕事があったのだが、翌週も同じ所での仕事の予定で、演奏の仕事ではなく1日休んでも差し支えないものだったので、仕事をキャンセルしてこちらを受けることに。また、私は6/3まで同じ場所に行っている予定だったので、そのまま延長して滞在することを選んだ。私に話を持って来たのは友人のS(主催者側の人間ではあるが、彼もそこに雇われているという立場)で、その旨を告げ「もし、前日にリハーサルがあるなら参加する」と申し入れる。これはまあ、いわば私の好意で、本来はしなくても良い仕事。ここまでをSと決めて、この話を受けた。
そうしたら、経費について相談したいという申し入れが主催者側からあった。まあ、どこも予算的に苦しいのは解るし、相手はプロのオーケストラではないから、こちらで出来る譲歩はするつもりで話を聞いた。東京から奏者を呼ぶと交通費と宿泊費がかかるので、前日まで滞在しているのであれば、交通費の負担をその前の仕事と分担出来ないか?という事だろう。
基本的に、別の主催者からのオファーであれば、それぞれにギャラと交通・宿泊費が発生する。その前にどこにいるかは関係ない。偶然、同じ場所にいるからといって、必要な経費(交通費など)をどう使うかは私の裁量。今回も同様で、6/3に一旦東京に帰って6/5に再度そこに行くという選択肢もあった。それを宿泊を延長することを選んで、交通費として支給されたものを宿泊費に充当する…なんてのは全くの私の問題で、他人に口を差し挟まれたりお金の使い道を指示されたりするような事柄ではないのである。
今回「経費の相談」を受ける気になったのは、主催者がプロの演奏団体ではなく教育機関だったため。話を聞く前から、私は「前の仕事と今回のオファーで、それぞれ交通費を半額ずつ分担」という提案をするつもりでいた。これなら、YGKは本来支払うべき経費が半分で済む。でもこれだって私の好意。そのつもりで昨日かかってきた電話の相手(主催者の会計担当者。しかも知り合いだった)と話を進めていたら、どうにも感触が違う。よくよく聞いたら相手は交通費を支払う気は全くなさそう…前の仕事(6/3まで滞在している分)で、交通費は往復分確保されている筈なので(これも説明が面倒なのだが、その仕事では、決して交通費として確保されているのではなく、報酬として受け取っている中から、私が交通・宿泊費を捻出する形で成立している仕事であり、一年を通じて収支がうまくいくようバランスをとっているというもの)というのが向こうの言い分。
これって違うんじゃないかなあ!最初に書いた通り、全ては私の裁量で、その中で、少しでも相手のためになるようにと考えた私の好意は台無し。こういうのは、経費の分担の相談ではなくただの甘え…という。
YGKは音楽を専門とする県の教育機関で、専門家を育てるところ。そこが年に1回「定期演奏会」と称して様々なプログラムを取り上げ、生徒達のオーケストラ演奏の発表もある。Sはそこの講師で、私の30年来の親友。だからこそ、私は好意的に少しでも役に立つならと動いていた。専門教育機関として、自分達で曲を選びプログラミングをしているのでしょ?そもそも予算がないなら、地元に奏者がいない楽器を使うような曲をプログラムに入れなければ良い。エキストラの奏者を使わない選曲をする方が健全である。全ては、自分達の都合でしょ?人の好意に乗っかって、さらには勝手に自分達の都合の良い方に無理矢理持って行かれると…あ〜あ。
別に、お金の問題ではないのです。これは気持ちの問題。相手の出方次第、話の進め方次第で、納得がいくかどうかが決まったと思う。今回については交通費が出なくても赤字になるほどではないし。(←赤字でも良いからやる仕事だってあるよ。プロとしてはどうかと思うけど…音楽は金のためだけにやってる訳ではないからね。)
なんだか、やる気が削がれてしまった。Sには申し訳ないけれど…まあ、受けた以上はちゃんと仕事するけどね。
お気楽モードから一転。