イベントの主催者は、常に客の目線でイベントの企画をたてるべきである。そのためにも、なるだけ客席にいて、客席の空気を肌で感じるべきである。これは商売にも当てはまるし、なんであれ全ての業種で同じ事が言えると思う。
先日から更新が止まってしまっている理由がこれです。コンサートについて色々書こうとして、準備している原稿があるのですが、この事を思い出してなんだか白けてしまい、他のジャンル(例えばおばかネタ)についてもなんだか筆が進まない。
まあ、吐き出してしまえば少しは楽になるかと・・・読んで下さっている方々には申し訳ないですけど。
先日、ちょっとした訳があり、1週間おきに二つの演奏会に客として行きました。最初はMozart「魔笛」で、これがまた突っ込みどころ満載。これが止まっている方の原稿。この原稿も本質的には客の目線で〜〜という結論になりそうな話なのですが、もう一つの方が問題が単純なだけにかなり程度が悪くて、私はすっかりお怒りモード。サンクトペテルブルグのバレエProkofiev「ロミオとジュリエット」。
1幕が終わり休憩後、客席に戻り2幕の観劇モードにスイッチが入ります。客席全員がそうだったと思う。すると、ステージ下手から(オーケストラピットを見て指揮者が入ってくると誰しも思っている状況で)和服の女性登場。1幕の始まりがちょっと変わった演出だったので「え!?これも新演出?でも、R&Jで和服ってのは奇をてらい過ぎ・・」等と頭の中がぐるぐる思考し始める間もなく、「ただいまより日露文化交流○×△イベントの閉幕式を行います」・・・
!!!なにそれ。そういえば、妙なテレビカメラやカメラマンや、大使館関係らしいエラそうな変なヤツラがうろうろしてたっけ。あらまあ、ホールにまでビデオカメラが入ってきてる。
で、そのまま延々30分近く、その閉幕セレモニーとやらが続いたのです。その間、我々客はこれに付合わされ、聞きたくもない大使の挨拶や(日露双方で翻訳者が間に入るから時間がかかること!しかも翻訳が=ロシア語のわからないオレが聞いても=「そんな事言うてへんやろ!」と突っ込みの入る様な代物)花束贈呈などの儀式を見て拍手何ぞも強要される。
ふざけんな!
席を立とうと思ったが、座席の位置が悪く通路から遠いため、他の客に迷惑がかかる。し〜か〜も〜!誰もこの状況を怒ってない、少なくとも怒っている事を表明しない。「ブー↓」みたいなアピールもない。
なにこれ?
私は常識のない人間なのですぐに「ブーイング」をしたのですが、同調者無し。おまけに大使の挨拶に拍手なんぞしてる。えーのか?これで。思いっきり大声で「国後・択捉」と叫ぼうとして連れに止められる・・・。積丹・歯舞でも良かったんだけれど、ってソウイウ問題ちゃうやん。
なぜ今の時期に、駐日ロシア大使と「文化交流で仲良く」なんて言えるの?駐露日本大使は、今我々の前でロシア側の大使と握手してにこやかに談笑しててエーのか? いやいや、そっちの話題は置いといても、観劇に来てなぜクソ面白くもない政治家(大使は官僚か!)の挨拶を、それも1幕と2幕の合間に聞かなければいけないのか?
もう、ほんまに。いまこうやって書いていても面白くない気分が蒸し返されて不機嫌になる。おかげで2幕は何も楽しめないままカーテンコールもそこそこに出てきちゃいました。
コレハイッタイ何ナノ?
どうも4月頃からこのイベントが開始され、日本各地で様々な公演や展覧会などが行われ、最後の締めくくりがこのバレエ・・という事みたい。
しかし、主催者は一言「本日の公演にはこういうセレモニーがあります」というアナウンスがあってしかるべきでしょ。そしたらその時間帯は、付き合いたくない人は外にいるとかの対応ができる。または違う日に来るとかの対応策で逃げられる。でも、何もなかったのです。気がついたら巻き込まれてた。そもそも、終演後にロビーを見たらレセプションの用意がしてあったので、公演が終わった後、関係者だけでやれば良いセレモニーじゃない!終演時間も30分延びるし、これって客に対して悪いとは思わないのだろうか?皆さん「大使の挨拶が生で聴けて感激!」とかって言うと思っているのだろうか?考えが甘い!いや、違うチガウ。想像力が足りなさ過ぎ。しかも政治家や官僚って、センスの悪いヤツが多いしなあ!バレエの幕間にこういう事をやっても、何も問題ない・・どころかなぜ怒るヤツがいるのかさえ解らへんねんやろな。
そういえば、休憩中のロビーで、この劇場のバレエのCDとDVDの販売をしていたのですが、そこではTchaikowsky「くるみ割り人形」の音が延々と流れてて「イラッ」ときた。いまはProkofievの頭なの!こういう事をサービスと考える、またはそれすら考えずに、客がどう感じるかも想像しないで、平気でいられる神経の主催者だからこういうことになるんだろうね。
ロシアと日本の大使のご機嫌をとっておいた方が、仕事もやりやすいし、業界での立場も良くなる。
「お代官様、わかっておりますとも!」「お前も悪じゃのう、越前屋」の世界。