2013/4/13 Adolph Herseth氏が亡くなった。93歳。合掌…
シカゴ響の名物トランぺッターでこのオーケストラの顔とも言える人物だった。普通Orchの顔とは、Oboe首席 / Horn首席 / Concert Master あたりなのだけれど… 1948年から2001年に退くまで53年の間、首席トランペット奏者として活躍し、シカゴ響の「世界一の金管セクション」という評価も彼あってこそのもので、その評価に相応しいセクションの牽引者だった。オーケストラの定年制(当時のシカゴ響は55だったか60だったか…)を超えて、音楽監督と全楽員の支持を得て、その職責を全うした。彼の退団後も、シカゴ響Trp首席には「The Adolph Herseth Principal Trumpet Chair」という名前が冠されるほど。80歳を越して最後のステージで「Mahler Sym#5」のSolo(Trpの難曲で有名)を楽々と吹いて退団したと聞いている。私はTuba奏者で、アメリカよりドイツのオーケストラのサウンドが好みで、例え「世界一の金管」であっても、シカゴ響なんてあまり好きではなかったけれど、金管楽器奏者の端くれとして、ハーセス師を憧れと尊敬を持ってみてきた。広い音域と安定した音色、外さない、バテない、という金管奏者のすべての悩みから開放された(ように見える)素晴らしい奏法で、純粋に音楽を楽しんで楽器を演奏していた。素晴らしい!
ネットのニュースで知り、これを書きかけた頃に、思った通り阿久悠S藤からもメールが。彼の心の師でもあるハーセスが亡くなって、さぞかし寂しい思いをしているだろう、と思っていた。彼からのメールには、懐かしいMahler Sym#7(1971録音)の録音風景の写真が添付されていた。
学生時代よく彼の部屋や私の車で聴いていた演奏。どんなにドイツのサウンドが好きでも、この曲の5楽章のTrpの安定した素晴らしい演奏は、この録音(当時は、当然レコード!だった)の右に出るものがなく、Trpだけはこの演奏が一番!って思って聴いていたものだ。
またこれで時代が変わる。オーケストラの個性がどんどん薄まり、つまらなくなっていく。昔は、今に比べて全体的な演奏の技術は低くても、突出した「名人」がいて面白かった。オーケストラの音色も国や地域などの特色があり本当に楽しめた。今はどんどん無個性になって(←これを、水準が上がりInternationalになったという言い方で肯定する人も多いけど)特徴がない。佐T(←苦笑)からも「今のシカゴ響なんて全然つまらない」というメール返信が来たけれど、彼がシカゴ響をこんな風に評する日が来るとは思わなかった。笑
今日は名優三國連太郎さんの死(13/4/14)の報道もあった。彼の個性的な演技も人柄も大好きだった。釣りバカ日誌の「スーさん」だけじゃない(笑)あれも良いけれど。これもまた時代が変わる…
時代は無個性化への道を進む。すべてはテレビと流通の弊害。文明のなせる技。これを書きはじめたら止まらなくなりそう…
戦後の日本は文化国家を目指していたという。でも、今の日本に文明はあっても文化はない。文明国アメリカが進駐したせいか…敗戦後にイギリスやフランスが進駐してきていたら、今頃日本はどうなっていたのだろう?(フランスはともかく、香港があったのだからイギリスは可能性があったかも)昔の日本の様に(その頃のことは覚えてないけど…笑)ヨーロッパの様に、歴史を尊び文化を育てる国になっただろうか。ロシア(当時のソ連)が進駐してきて、表参道を「ウラディーミル通り」、代々木公園を「赤の広場」なんて呼ぶことになっていたらイヤだけど…笑
ブログ拝見しました。
ハーセス氏が退団した2001年って、私は中学三年生ですね。。あの頃は、多分勉強しかしてない!笑。
楽器を吹くことは、その頃からそれなりに好きでしたが、演奏を聞くというのは、昔から苦手で。。。今度お時間ありましたら、是非お話聞かせてください!
食わず嫌いせず、時間がある時はちょくちょくいろんな音楽を聞くようにしよう、かな。。今はググればいろいろ出てくるから、いろいろあるとは思いますが、恵まれてると思うんで。
最近はもっぱらjazz系のpianoをネットで探しては聞きあさる感じですが。。
とりとめのない文章失礼しました!