人生初

帰り道のT武百貨店地下食料品売り場の八百屋で、アルティショー(英:アーティチョーク・Artichoke)を発見。しかも特価品!メッチャ安い←いくらかは言わない。言えない…笑 和名「チョウセンアザミ」…どうよこれ。こんな怖そうな名前のもの誰も食べない。なんか毒々しくない!?アザミっていう語感が悪い。そりゃ売れ残って特価品になるわな!

実はずいぶん昔からこれの食べ方だけは知っていた。一度食べてみたいとも思っていた。でもなかなか出会えなかった。たしか伊丹十三の本の中に出てきたと思う。本格的フレンチを簡単に作れるというふれこみだった。

さて、いざ買って目の前にしてみると、想像以上にものものしい。なんというか、攻撃的な顔をしているというか、トゲトゲいがいがして、とても口に入れようとは思わない形状。少し調べたら、蒸すか茹でる前に、熱湯できれいに洗って、とげは切り落とす様に書いてある。

…で、やってみました。電子レンジで4〜5分蒸したのがこの状態。

Artichoke

とても食べ物とは思えない!笑 植木鉢を真上から撮ったみたいでしょ?

この花びら(ではないのですが。花菜類とかいうらしい、その若いつぼみ)状のものを、外側から一枚ずつはがすと、下方に行くに従って、少し厚みが出てきてサボテンの葉の様に果肉(?)が厚くなる。その根元にほんの少し脹らんだ柔らかい部分があり、それを歯でしごきだす様にして食べる。と、伊丹十三氏が言っていた。これをやってみたかった。

…で、やってみました。口に入れると葉の部分からは、雨上がりの竹林の少し蒸れたような、笹の葉にも似た、どこか懐かしく、確実に以前どこかで嗅いだ事のある匂いが、かすかに香る。根元のやわらかい部分を「しがむ」と(←関西弁?)内側から緑の柔らかい肉が出てくる。一番近いのは、茹で過ぎたソラマメの食感。なかなか素朴で美味しい。面白い。食べはじめると、次の葉、また次の葉…と止まらない。カッパエビせんより始末が悪いかも。レモンに塩コショウとオリーブオイルにマヨネーズという割にありきたりのドレッシングを用意したのだが、何も付けなくても美味。バターやホワイトソース系のこってり系も合うかもしれない。バター醤油も良さそう!

一個食べ終わるのに、確実に15〜20分くらいかかる。これ一個あったらワインのあて(←これは確実に関西弁。酒のつまみのこと)にピッタリ。楽しいし、時間もつぶれる。

最後に残った根元の皿のような部分からヒゲのようなおしべめしべの根元(形状は違うけどトウモロコシのヒゲを思わせる)をスポリと取って、中の芯をむしゃむしゃ食べるのが愉しみと、先の本に出ていたのでやってみたが、そんなに巧くスポリとは取れない。なんだかぐちゃグチャと剥がれて、写真に撮るのは止めた。手もビチョビチョだから、カメラに触る気も起きなかったし…笑

梅干しのタネの中身(天神様?)のような愉しみ方のこの部分は、味わいはソラマメで食感はブロッコリーの茎の中心部というような感じ。なかなか美味しいかった。アーティチョーク好きです。気に入った。おもしろい。次に特価になっていたらまた買おう。定価だったら…微妙!笑

以上、アーティチョークレポートでした。

「人生初」への2件のフィードバック

  1. 侘びさび沙羅双樹

    おばんです。いつもこんな時間にコメントしてる…すいません。

    アーティチョーク、野菜好きの私も興味津々の“物体”でした。2009年1月に訪れたパリの市場でたくさん売っていて、一度は食べてみたいと思っていました。
    でも、私も日本で見ました…。2012年5月、京都の某デパート野菜売り場に!2つくらい、エシャロットや九条葱のそばにコロンと置かれ…そう、安いんですよ。食べる所が少ないからか、簡単にできるからか…何でだろう?
    もちろん、パリ以来のご対面で、いいみやげ話~と思って翌月に“元カレ”Sいとうシェフにどんな“物体”か聞いてみました。…ま、扱いが大変らしい(私みたい?)。筍に似てるな~と思いました。要するに、私には到底手におえないお野菜ということがわかりました。特別に「ムサカ」に付け合わせとして出してくれたオイル漬けだったか…まさに食感はシナチクや筍でした。パソコンにその時の料理の写真、送りますね。
    でも、調理する前の姿はインテリアに向いているな~と思います。さすがに筍は飾れないけれど、アーティチョークはいいな!

    だけど、チャレンジャーだな~。アーティチョークを調理してしまうとは。暖かい日が続き、食欲増しますね。春の食材で体も心も元気に!桜は終わったけれど、新緑でリフレッシュしてくださいね~。

    A bientot!

  2. 侘びさび沙羅双樹 様
    お久しぶりです。投稿へのコメントありがとうございました。
    アーティーチョークのことは、私も以前にSシェフに話した事があります。しかし、私の場合は何の反応もなくすておかれ、ましてや、料理の付け合わせに添えて食べさせてくれる…なんて事は全くなかった。さすがモトカノ!羨ましい 笑
    でも、アーティーチョークは、ちっとも面倒ではなかったです。伊丹十三の書いていた通りだった。私のこの食べ方の場合…ですが。だって、蒸しただけでは料理とは言わない。これを料理として昇華させるには(色々なサイトを検索すればたくさん出てきますが)一番芯の丸い部分のみを使うらしい。これに肉詰めするなど、確かに手間がかかりそうでした。
    今回の簡単な方法は、一度お試しあれ!

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